EIGRPとは?
**EIGRP(Enhanced Interior Gateway Routing Protocol)**は、Ciscoが開発したダイナミックルーティングプロトコルです。
ルーター同士で経路情報を交換し、宛先までの最適なルートを自動的に選択できます。
RIPよりも高速で、OSPFより設定が簡単なことから、多くのCisco環境で利用されてきました。
ダイナミックルーティングとは?
ダイナミックルーティングでは、ルーター同士が経路情報を自動で交換します。
そのため、
- 新しいネットワークが追加された
- 回線が切断された
- より良い経路が見つかった
といった場合でも、自動でルーティングテーブルが更新されます。
EIGRPの特徴
① 収束が速い
ネットワーク障害が発生しても、新しい経路をすばやく見つけます。
そのため通信が止まる時間を短くできます。
② 必要な情報だけ送信する
RIPは30秒ごとにルーティングテーブル全体を送信します。
一方、EIGRPは変更があった部分だけ送信します。
そのため通信量を抑えられます。
③ 複数の情報から最適経路を選ぶ
EIGRPでは距離だけではなく、
- 帯域幅(Bandwidth)
- 遅延(Delay)
などを利用して最適な経路を計算します。
そのため、単純なホップ数だけで判断するRIPより効率的です。
EIGRPはハイブリッド型
ルーティングプロトコルは大きく分けると
- 距離ベクトル型(RIP)
- リンクステート型(OSPF)
があります。
EIGRPは両方の特徴を取り入れているため、
ハイブリッド型
と呼ばれます。
距離ベクトル型とリンクステート型の違い
EIGRPはハイブリッド型ルーティングプロトコルと呼ばれます。
では、ハイブリッド型とはどのような意味なのでしょうか。
まずは、基本となる「距離ベクトル型」と「リンクステート型」の違いを見てみましょう。
距離ベクトル型(RIP)
距離ベクトル型では、隣接するルーターから受け取った経路情報をもとに通信経路を決定します。
イメージとしては、「隣の人に道を聞きながら目的地へ向かう」ような仕組みです。
例えば、ルーターAがネットワークDへ通信したい場合、隣のルーターBから
「Dへ行くにはこちらの経路だよ」
という情報を受け取り、その情報を信頼してルーティングテーブルを作成します。

特徴
- 隣接ルーターと経路情報を交換する
- 仕組みがシンプル
- 小規模ネットワーク向け
- ネットワーク障害時の経路切り替えは比較的遅い
リンクステート型(OSPF)
リンクステート型では、ネットワーク全体の構成情報を各ルーターが共有します。
イメージとしては、「全体の地図を持って最適な道を自分で考える」仕組みです。
各ルーターはネットワーク全体の情報をもとに、自分自身で最適な経路を計算します。
そのため、障害が発生しても新しい経路を素早く見つけられます。

特徴
- ネットワーク全体の情報を共有する
- 自分で最適経路を計算する
- 大規模ネットワークに向いている
- 収束速度が速い
距離ベクトル型とリンクステート型の比較
| 項目 | 距離ベクトル型(RIP) | リンクステート型(OSPF) |
|---|---|---|
| 経路情報 | 隣接ルーターから受け取る | ネットワーク全体を共有 |
| 経路の決め方 | 受け取った情報を利用 | 自分で最適経路を計算 |
| 処理負荷 | 小さい | やや大きい |
| 収束速度 | 遅い | 速い |
| 向いている規模 | 小規模ネットワーク | 中~大規模ネットワーク |
EIGRPはハイブリッド型
EIGRPは、
- 距離ベクトル型の「隣接ルーターと情報交換する仕組み」
- リンクステート型の「高速に最適経路を選択する仕組み」
この両方の長所を取り入れています。
そのため、EIGRPはハイブリッド型ルーティングプロトコルと呼ばれています。
RIP・OSPFとの比較
| 項目 | RIP | EIGRP | OSPF |
|---|---|---|---|
| 種類 | 距離ベクトル型 | ハイブリッド型 | リンクステート型 |
| 収束速度 | 遅い | 速い | 速い |
| 設定 | 簡単 | 比較的簡単 | やや難しい |
| メトリック | ホップ数 | 帯域幅・遅延など | コスト |
| 利用範囲 | 小規模 | 中~大規模 | 大規模 |
メリット
- 高速に経路を切り替えられる
- 通信量が少ない
- 設定しやすい
- 負荷分散にも対応している
デメリット
以前はCisco製ルーターでしか利用できませんでした。
現在は仕様の一部が公開されていますが、実際にはOSPFが採用されることも多く、マルチベンダー環境ではOSPFの方が一般的です。
CCNA試験で覚えたいポイント
- EIGRPはCiscoが開発したルーティングプロトコル
- ハイブリッド型である
- RIPより高速
- 帯域幅と遅延を利用して経路を選択する
- 変更があった経路だけ更新する
まとめ
EIGRPは、距離ベクトル型とリンクステート型の長所を組み合わせた高速なルーティングプロトコルです。
現在はOSPFが採用されるケースも多いですが、CCNAではEIGRPの特徴やRIP・OSPFとの違いを理解しておくことが重要です。
次回は、EIGRPがどのように隣接ルーターを見つけて通信するのか、動作の仕組みについて学んでいきます。


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